聴こえぬラジオにものを言い

とある田舎の大学生が、ときには社会学徒として、ときには新聞記者として、またあるときにはラジオの人として語りおろします。

便利の裏返し

電話一本で配達してくれる。 デリバリーサービスは、現代社会において欠かせない存在だろう。 だが、僕は1年半バイトした某宅配飲食チェーンを辞めることにした。 バイトを始めた当初、僕はただ商品を運んで入ればいいと思っていた。 バイト初日。外は土砂降…

プロローグ~耳をすませば~

「こちらは、○○放送です」 2年前の僕は、この合図とともに起床していた。 午前5時、受験生の僕の朝は、このラジオの声から始まった。 目覚めからの1時間、布団に入りながら、その日のニュースを耳で聞く。 6時の時報とともに、僕は身体をむくりとおこし、居…