聴こえぬラジオにものを言い

とある田舎の大学生が、ときには社会学徒として、ときには新聞記者として、またあるときにはラジオの人として語りおろします。

プロローグ~耳をすませば~

「こちらは、○○放送です」

2年前の僕は、この合図とともに起床していた。

 

午前5時、受験生の僕の朝は、このラジオの声から始まった。

 

目覚めからの1時間、布団に入りながら、その日のニュースを耳で聞く。

 

6時の時報とともに、僕は身体をむくりとおこし、居間へと向かう。

ドアポストから朝刊を取り出すことが、僕の日課だった。

 

眠気眼に眺めるテレビをそこそこに、納豆ご飯と味噌汁の朝食を済ませ、6時40分ごろに自室へ戻り、支度を始める。

 

6時55分、地元サッカーチームのコーナーが始まるジングルを合図に、僕は家を飛び出す。

外は冷え込み、朝もやが漂う田んぼ道を変速6段ギアを付けたママチャリが音を立て走り去る。

7時4分の電車に乗り込むべく、颯爽と駆ける僕がいた。

 

電車のドアが閉まるころ、耳につけたイヤホンからは、ストレートニュースを読み終わったパーソナリティが注目ニュースを語り下ろし始める。

満員電車に揺られながら、頭の中で今日の社会事象を整理する。

時折、パーソナリティの語る意見に、頭の中で反論したり、賛同していると、楽曲が流れ始め、電車は乗換駅に滑り込む。

 

乗り換えた電車での30分間、経済論評、スポーツ、週刊誌の紹介...。イヤホンから流れるラジオに耳をすませていた。

7時45分。電車が高校の最寄り駅に着くころ、僕は耳のイヤホンを外し、歩き始めるのであった。

 

 

耳をすませば、そこにはラジオが流れていた。

 

大学生となった今、そんな規則正しい生活は送っていないが、時折ラジオが恋しくなる。

 

ただ、今はそのラジオは聴こえない。その番組は、大学に入った年の10月に終わってしまった。

 

聴こえぬラジオにものを言い。このブログのタイトルには、その思いがあるのだ。

 

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 当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

私は、とある田舎で社会学を学ぶ大学生です。

時折、新聞記者としても活動しています。

 

当ブログでは、基本的に身の回りの出来事から、社会問題まで、私なりの視点でつらつらと書かせていただきます。

基本的に読者は想定しておりませんが、読みやすい文章を心がけています。

 

もし、何かご意見・ご批判などございましたら、こちらまでお知らせください。

 

自分勝手な文章ですが、何卒よろしくお願いします。

 

誰が読むんだろう。

 

そうか、誰かが読んでくれればいいのか。